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平成17年度決算の議決

   平成17年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書に関する議決

 本院は、平成17年度決算について、予算執行の実績とその効果、会計検査院の検査報告などに重点を置いて審議を行ってきたが、さらに改善を要するものが認められるのは遺憾である。

一 予算の執行状況などからみて、所期の目的が十分達成されるよう、なお一層の努力を要する事項などが見受けられる。
 次の事項がその主なものであるが、政府は、これらについて特に留意して適切な措置を執り、その結果を次の常会に本院に報告すべきである。

 国の財政は、公債残高が年々増加の一途を辿り、非常に厳しい状況にある。2011年度には国と地方の基礎的財政収支を確実に黒字化する財政健全化の目標に向け、歳出の水準を一層厳しく抑制していくべきである。また、財政融資資金の貸付残高の圧縮及び特別会計等における国の資産の適正規模への圧縮に取り組んでいくべきである。さらに、多額の剰余金が問題となっている農業経営基盤強化措置特別会計においては、農業改良資金貸付金の貸付実績及び見通し等を精査の上、剰余金について一般会計への繰り入れ等の措置を講ずるべきである。

 国民の医療に対する信頼確保と良質な医療提供体制の実現に向け、適正な医療費の在り方を検討するとともに、病院勤務医の勤務環境の改善、医師の地域偏在の解消、小児科医や産科医の適正配置、救急医療体制の充実強化等に全力で取り組むべきである。また、看護職員の確保に向けた処遇改善、離職防止、再就業支援等の施策の計画的な実施、助産師の活用促進に向けた対策の充実に努めるべきである。さらに、本年施行された「がん対策基本法」については、基本理念を十分踏まえ、がん予防及び早期発見の推進、がん医療の均てん化、研究の推進等に万全を期すべきである。

 公的年金制度に対する国民の信頼の回復を図るため、社会保険庁による年金記録の管理実態、納付記録の確認、基礎年金番号を用いての把握がなされていない記録等の調査を徹底して実施するとともに、納付記録の消失や支給漏れの防止に向けた年金記録の管理体制強化に万全を期すべきである。

 近年、地域の財政力や家庭の経済力の格差により、子どもの教育環境格差が広がっている。一方、高等教育機関に対しては、質の高い教育研究に向けた適正かつ効果的な財政支援が求められている。ついては、奨学金の充実等へ向けた取組みを一層推進するとともに、これら個人への助成と大学等への助成との適切なバランスによる財政支出に取り組むべきである。また、子どものいじめが原因と考えられる自殺が深刻化していることから、いじめ等問題行動に対し、実態把握に努め、政府、家庭、学校等がそれぞれの役割を果たし、一体となって取り組むべきである。

 文化財は、国民の貴重な財産であり、我が国の歴史、伝統、文化等の理解のために欠くことができないものである。経済の発展や開発が進む中で、歴史的建造物・史跡等の文化財とその周辺環境の保存及び活用を図るため、都市行政等他分野との施策の連携を図ることに努めるべきである。

 天下りを背景とした官製談合事件が相次いで発生している。ついては、一般競争入札の範囲を拡大するなど、入札・契約手続の透明性・客観性、競争性を確保するための改革を進めるとともに、事実関係について、職員の再就職状況を含め徹底した調査を行い、官製談合事件の再発防止に万全を期すべきである。また、談合等の弊害となる天下りをなくす措置を含む公務員制度改革を実現すべきである。

 郵政民営化については、今後、民間の創意工夫による様々なサービスの提供を国民が享受できるよう環境整備作りに努める一方、当面の間、国の出資が残ることに鑑み、ゆうちょ銀行及びかんぽ生命保険の業務範囲については、他の金融機関とのイコールフッティングの状況や両社の経営状況等を勘案し適切に対応していくべきである。また、地方においてサービスが維持されるよう対応すべきである。

 地方自治体が自立し、責任を持って行政サービスを提供するため、地方分権改革推進法等を通じて国と地方の役割を明確に分担し、これに基づき国から地方に事務事業、権限及び財源を移譲するなど、地域格差に留意しつつ国と地方の税財政の関係を根本的に見直す改革を推進すべきである。

 公会計制度においては、国民に対して国の財政事情を分かりやすく開示し、財政の透明性・一覧性を向上させるとともに財務情報を予算編成に活用し、予算の効率化・適正化につなげることなどが求められている。また、政策評価制度においては、その充実及び政策への反映を通じて、効率的で質の高い行政を実現させることが求められている。政府は、これら制度の一層の充実を図ることにより、国民への説明責任の徹底など国民本位の行政に向けた取組みを推進すべきである。


二  会計検査院が検査報告で指摘した不当事項については、本院もこれを不当と認める。
 政府は、これらの指摘事項について、それぞれ是正の措置を講じるとともに、綱紀を粛正して、今後再びこのような不当事項が発生することのないよう万全を期すべきである。


三  決算のうち、前記以外の事項については異議がない。


 政府は、今後予算の作成及び執行に当たっては、本院の決算審議の経過と結果を十分考慮して、行財政改革を強力に推進し、財政運営の健全化、行政の活性化・効率化を図るとともに、政策評価等の実施を通じた効果的かつ効率的な行政を推進し、もって国民の信託にこたえるべきである。

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