歳出削減が進められる中で、例外的に科学技術関係経費は増加してきた。特に、科学研究費補助金等の競争的資金は、研究者の研究費選択の幅と自由度を拡大し、競争的な研究開発環境の形成に貢献するものとして充実が図られ、拡大の一途をたどってきた。しかし一方で、研究者による競争的資金の不正使用が次々と発覚し、科学技術関係の補助金及び委託費に対する国民の不信を招いている。
研究者による補助金等の不正使用が発生する要因として、受ける側の研究者の意識の問題だけでなく、特定の研究者への過度の資金の集中、省庁や制度ごとのルールの違いなど、補助金等を出す側の行政における制度・運用面での問題も指摘されている。また、不正に対するチェックの甘さや体制の不備があったことも否定できない。
政府は、このような要因を踏まえ不正防止策を講じているところであるが、研究活動の委縮を招くことのないよう留意しつつ、科学技術関係補助金等の不正使用根絶を目指して、各競争的資金制度を所管する関係府省の密接な連携を図り、必要な措置を早急に講ずべきである。
次に、平成十七年度決算審査措置要求決議について講じた措置につきましては、特殊法人の独立行政法人化等に係る会計処理の透明性の向上について等、全決議十項目のうち最高裁判所のとった措置を除き、内閣のとった九項目に係る措置につきまして、お手元に配付してありますとおり御報告をいたします。この配付資料は当日の会議録に掲載されている。