○議長(江田五月君) これより会議を開きます。
日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成十八年度決算の概要について)
財務大臣から発言を求められております。発言を許します。額賀財務大臣。
〔国務大臣額賀福志郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(額賀福志郎君) 平成十八年度の決算の概要を説明いたします。
平成十八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額総報告並びに物品増減及び現在額総報告につきまして、その概要を説明申し上げます。
まず、
〔中略〕
○議長(江田五月君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。
○委員長(小川敏夫君) 平成十八年度決算外二件を議題といたします。
まず、平成十八年度決算、すなわち一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書につきまして、また、引き続き、平成十八年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書につきまして、財務大臣から概要説明を聴取いたします。額賀財務大臣。
〔中略〕
○委員長(小川敏夫君) 次に、平成十八年度決算検査報告並びに平成十八年度国有財産検査報告につきまして、会計検査院長から概要説明を聴取いたします。大塚会計検査院長。
○委員長(小川敏夫君) 会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。
国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省に関する政府開発援助につき、技術協力の実施状況及び技術協力に係る援助の効果について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川敏夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
○委員長(小川敏夫君) 平成十八年度決算外二件を議題といたします。
平成十七年度決算に関する本院の議決について政府の講じた措置並びに平成十七年度決算審査措置要求決議について政府及び最高裁判所の講じた措置につきまして、財務大臣及び最高裁判所から順次説明を聴取いたします。額賀財務大臣。
〔中略〕
○委員長(小川敏夫君) 大谷最高裁判所事務総長。
〔中略〕
○委員長(小川敏夫君) 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のうち、会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件を議題とし、会計検査院から説明を聴取いたします。大塚会計検査院長。
○小川敏夫君 ただいま議題となりました平成十八年度決算外二件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
平成十八年度決算外二件につきましては、昨年十一月二十六日の本会議において財務大臣より概要の報告がありましたので、その内容については省略させていただきます。
委員会におきましては、国会が議決した予算及び関係法律が適正かつ効率的に執行されたかどうかを審査し、あわせて、政府施策の全般について広く国民的視野から実績評価を行い、その結果を将来の予算編成及びその執行に反映させるべきであるとの観点に立って審査を行ってまいりました。
まず、本件決算外二件の概要説明を聴取した後、内閣総理大臣を始め全閣僚出席の下での全般質疑のほか、平成十七年度決算に関する本院の議決及び平成十七年度決算審査措置要求決議に対して政府等が講じた措置に関する質疑、全七回に及ぶ省庁別の審査など、合計十四回の審査を行いました。
主な質疑内容として、道路関係業務における不適切な支出、随意契約見直しの趣旨に反する制限的な応募要件等、防衛装備品調達における水増し請求、各特別会計に滞留する多額の剰余金、積立金、公益法人の内部留保の見直し、委託費の不適切な執行などが取り上げられたほか、行財政全般にわたる議論が交わされ、六月九日に質疑を終局いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
次に、平成十八年度決算の議決について申し上げます。
従来、決算の議決は、第一に本件決算の是認、第二に内閣に対する警告から成っておりましたが、理事会におきまして、決算を是認するか否かにかかわらず、委員会審査において明らかになった政府の財政運営等の問題点を警告として具体的に指摘すべきであるとの提案がありました。
これに対して、決算が是認されないときには警告として個別の指摘を行う必要はないとの反対意見が示され、今回は、警告の取扱いについて各会派の意見が一致せず、本件決算を是認するか否かの議決のみを行うことになりました。
なお、決算の議決の在り方につきましては、今後も引き続き協議、検討することが確認されました。
また、決算委員会におきましては、決算審査を踏まえて内閣等に対し措置要求決議を行っておりましたが、この決議につきましても警告と同様に、その取扱いについて各会派の意見の一致が見られなかったため、決議を行うに至りませんでした。
六月十日に討論に入りましたところ、民主党・新緑風会・国民新・日本の神本理事より、本件決算外二件はいずれも是認することに反対する旨の意見が述べられました。
次いで、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して公明党の荒木理事より、本件決算外二件はいずれも是認することに賛成する旨の意見が述べられました。
次いで、日本共産党の仁比委員及び社会民主党・護憲連合の又市委員より、平成十八年度決算並びに国有財産増減及び現在額総計算書はいずれも是認することに反対し、国有財産無償貸付状況総計算書は是認することに賛成する旨の意見がそれぞれ述べられました。
討論を終わり、採決の結果、平成十八年度決算並びに国有財産増減及び現在額総計算書はいずれも賛成少数により是認すべきものでないと決定いたしました。
次に、平成十八年度国有財産無償貸付状況総計算書は多数をもって是認すべきものと決定いたしました。
なお、本件決算外二件の審査を受けて、国会法第百五条の規定に基づき、会計検査院に対し検査要請を行いました。要請した検査項目は、本年一月十五日に議決した、政府開発援助の技術協力の実施状況及びその効果の一件、また、六月九日に議決した、各府省所管の公益法人の財務等の状況、年金記録問題、国土交通省の地方整備局等における庁費等の予算執行、防衛装備品の一般輸入による調達の計四件、合わせて五件であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
政府は、従来から、予算の執行にあたっては、事務・事業の適正な運営、不当経理の発生の防止等に留意しつつ、その政策目的に従って、適切な執行に努めてきたところである。
今般、決算について、参議院の御理解を得ることができなかったことについては、誠に遺憾である。
政府としては、今後とも決算に関する国会の審議・議決、会計検査院の指摘等も踏まえ、予算の適正かつ効率的な執行に一層努力していく決意である。
参考:参議院決算委員会調査室職員による「15年ぶりの決算否認(平成18年度決算審査) 〜決算の議決に係る今後の課題〜」がここにある。