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国債費不用額


 問題の所在 国会質疑 

 問題の所在
 会計検査院は平成19年度決算検査報告に「一般会計歳出決算における不用額等の状況」とのレポートを記載している。その「まとめ」で次のように述べている。
(2) 不用額が生じた原因、事情等
 18年度の一般会計歳出決算において不用額が30億円以上となっている40目を対象に、不用額が生じた具体的な原因、事情について国債費及び予備費とそれ以外の(目)に分けて検査した。
 国債費の不用額の大半を占める国債利子についてみると、不用額が生じた具体的な原因、事情は、国債の発行時点が年度の後半となったものが多かったために、年度内に利払日が到来した国債が予算の想定に比べて少なかったことなどによると認められた。
 予備費は、予見し難い事態の発生や事情の変更等によって予算の不足が生じた場合に使用されるために、予備費の不用額の発生は、経費の性格上、発生した予見し難い事態の規模等に左右される。
 国債費及び予備費以外の(目)の不用理由を歳出決算分析調書でみると、「事業量等が予定を下回ったことなどのため」及び「地方公共団体等からの交付申請が少なかったことなどのため」としているものが最も多くなっている。これらの不用額が生じた具体的な原因、事情は、制度や事業内容等の周知・普及が十分でなかったことや都道府県の財政状況が厳しいことなどとなっている。


 国会質疑
 参議院の20年度決算の審査では、5月10日の所管別審査でこの議論が行われている。
○広田一君 〔前略〕
 まず、平成二十年度の決算における不用額についてお伺いをしたいと思います。
 平成二十年度の一般会計決算におきまして最も多く不用額を計上しているものは一体何なのか、その金額と一般会計に占める割合を併せてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 〔前略〕
 御指摘の点、一般会計の決算で、平成二十年度でございますが、不用額の総額は一兆八千百七十八億円生じておりまして、そのうち最も多くの不用額を生じたのは国債費でございまして、今ギリシャの問題で、今日、後で菅大臣の方からもお話があるかもしれませんが、ソブリンリスクの問題が非常に大きな問題になっていますので、今日は丁寧に、また数字を間違えないようにしっかりと私も答弁したいと思っていますが。その国債費が金額ではどのぐらいになっているのかということを見ますと七千七百三十六億円ということで、ちなみにこれ一般会計の不用総額に占める割合は四二・五%というふうになっているというふうに報告をしたいと思います。
○広田一君 次に、過去五年間におきまして同じように一般会計決算において最も不用額を出しているものは何か、同様にお伺いしたいと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 過去五年間のこれ一般会計決算でどうなっているのかということでございますが、各年度とも最も多く不用額を生じていたのはやはり国債費でございます。
 十九年度の不用総額二兆二百十二億円のうち国債費は一兆一千七百七十一億円と、一般会計の不用総額に占める割合は五八・二%。十八年度の不用総額は一兆八千六十億円、国債費は八千七百八十二億円で、その占める割合は四八・六%。十七年度の不用総額は一兆五千二百七十五億円、国債費は八千八百四十三億円、占める割合は五七・八%。そして、十六年度の不用総額は一兆三千八百八十八億円、国債費は七千六百三十五億円で、一般会計の不用総額に占める割合は五四・九%と、これで五年間という数字になります。
○広田一君 先ほど副大臣の方から御答弁をちょうだいしました。それぞれの年度において、一般会計の決算において不用額の五〇%強、額にして七千億円の後半から一兆円に及ぶ金額に及ぶまで国債費が占めているというふうなことを考えますと、そうしますと、恒常的に国債の利払い費については巨額の不用額を計上しているというふうな理解でよろしいんでしょうか。
○副大臣(峰崎直樹君) 意図して出しているわけではなくて、その時々の経済見通し、そしてこれが足らない、実は利払い費が足らなくなっちゃったということのないような、その意味ではかなり保守的な観点からこの国債費の金額の計上をしているというふうに財務省としては努めているわけであります。
○広田一君 先ほど御答弁ございましたかなり保守的に見積もっているという事柄につきましては、またこの後議論をさせていただきたいと思いますけれども、ただ、決算結果としましては、こういった多額の不用額を出していることをかんがみますと、私は、その後の予算に必ずしもこの決算結果というものが反映されていないんじゃないかと、こういうふうな問題意識を持つわけでございます。
 そのことを踏まえまして、次にお伺いしたいのが、まず、これほど巨額の不用額を出している理由と原因について何なのか。先ほど若干副大臣の方から御説明があったわけでございますけれども、例えば平成十九年度決算の会計検査のあらましというふうな資料によりますと、財務省の見解と会計検査院の見解が百八十度この不用額が出てきた原因、理由について違っているわけでございますが、その当時のですね、その当時のそれぞれの不用額発生理由について御説明をいただければと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 結論的に、それほど百八十度変わっているというふうには思っておりません。それは後でまた申し上げたいと思いますが。
 国債費の不用が発生する主な原因としては、まず第一に、当該年度の補正予算編成時以降に発行された国債について予算積算金利を下回って発行できたと。ある意味では補正予算のときですから、秋になったりいろいろ、その時点において発行された国債の利回りが非常に予算の積算金利を下回っていたということが第一番目にある。第二番目に、当該年度中に発行された国債について、年度内に利払い日が到来した国債が想定より少なかったと、こういう二つの事情などによって公債利子等が予算額を下回ることが挙げられるというふうに見ております。
 この点について今、会計検査院と財務省の間で百八十度というふうにおっしゃっていましたけれども、見解が異なることはないんじゃないだろうかというふうに考えておりまして、その点、またもし質問等があればしていただければと思うんですが。
 なお、十九年度の会計検査報告においては、十八年度の歳出決算の記述に関し、金利の要因のみを例に掲げていることについて正確ではないという指摘がありましたので、十九年度以降は歳出決算報告書についてはより正確で丁寧な記述とするように見直しを行っております。その点はあらかじめ皆様方に、この点を是正をいたしましたということを付記しておりますので、よろしく御理解いただければと思います。
○説明員(鵜飼誠君) 会計検査院は、項、国債費の予算額の九八%を占めております目、普通国債等償還財源等国債整理基金特別会計へ繰入れにつきまして、十八年度決算で不用額が生じた具体的な原因、事情を検査いたしました。
 この目は、一般会計の負担に属する国債等の償還、利子等の支払等に必要な経費に充てる財源として一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるもので、十八年度におきましては主要銘柄である十年利付国債の当初予算における予算積算金利は二・〇%となっておりますが、補正予算作成時までの実績金利は一・七%から二・〇%となっており、こうした金利差等に伴い支払予定のなくなった国債利子額六千六百三十六億円につきまして補正予算において修正減少しており、この結果、国債金利に関しては補正後予算と決算に大きな差は生じておりませんでした。
 そして、十八年度中の国債発行額は、当初予算での想定百三十三兆二千三百五十一億円に対して百三十二兆八千七百三十四億円となっておりましたが、発行時点が年度の後半となり、年度内に利払い日が到来しなかったものが予算での想定よりも多かったため、実際に年度内に利払い日が到来した国債発行額は七十兆九百四十二億円にとどまったことなどによりまして、支払予定のなくなった八千五十六億円の国債利子が不用となっておりました。
 財務省の平成十八年度歳出決算の項、国債費の不用額は八千七百八十二億円であり、その不用理由は、歳出決算上、金利の低下に伴い国債利子等が減少したこと等により、普通国債等償還財源等国債整理基金特別会計へ繰入れを要することが少なかったためと記載されておりましたが、十八年度決算において項、国債費に不用額が生じた具体的な原因、事情は、今申し上げましたとおり、国債の発行時点が年度の後半となったものが多かったために、年度内に利払い日が到来した国債が予算の想定に比べて少なかったことなどによると認められまして、決算検査報告に掲記した次第でございます。
○広田一君 それぞれ御答弁をちょうだいしたわけでございますが、先ほど私が財務省と会計検査院の不用額発生理由が百八十度違うというふうに言いました一つの理由が、これまで財務省の場合は、利払いについて不用額が発生するのは、当初予算で想定していた金利より実際の金利の方が低く推移をしたため、その差額分が不用額として計上されているんだというふうな御説明をされておりました。
 先ほどの会計検査院の方の御説明は、それはそれであるんだけれども、この点については当該年度の補正予算において減額修正をしているわけでございますから、実際不用額が生じた主な理由というのは利払い期日が到来しなかったものにほぼ限定されるんじゃないかというふうなことでございまして、そう考えますと、想定金利が下回ったやつと利払い期日が到来しなかったことに伴う理由とすれば、私は中身が本質的にかなり違うんじゃないかなと、こういうふうに理解をしているわけでございます。この点については議論があるところでございますが。
 次に行きますと、財務省が出された当該年度、平成二十年度の一般会計決算書の不用額の理由を見ますと、先ほど副大臣の方から御紹介がございました金利の低下と年度内に利払い日が到来しなかったこと、この二つを挙げているわけでございます。そうしますと、これまで財政金融委員会とかを始め国会では金利の低下のみを歴代財務大臣は御答弁で挙げていたわけでございますけれども、この点については実質的に修正をされたのか、見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 広田委員の質問、これ、私質問を受けて初めて、そうかと、私も元々、金利低下の要因の方が多いんだろうと思ったんですよね。
 ところが、調べてみるとそうではなくて、今検査院からも報告がありましたように、発行期日が遅れて、その年に発行はするけど利払いは翌年度回しになっていくといったものの方が大きいというのが実は実態として分かりましたので、そうすると、今までやはり金利低下などと、こう書いていたのは、説明としては、むしろ金利低下の要因よりも、発行がずれたことに伴ってその年に金利を支払わなくてもいい事態が生ずると。
 御存じだろうと思いますけれども、金利は、この国債の利払いというのは一年間に二回に分けて開かれるということなんで、例えば十一月に発行して翌年の三月三十一日まで利払いが来ないというものも出てくるわけですね。そういったものが大きかったんだということを指摘を受けたんだろうというふうに思っていまして、平成二十年度の中身で、もし必要であればお話を申し上げたいと思いますが、これ一定の仮定を置いて計算してみると、金利低下によるものが約八百億円、年度内の利払い日が到来した国債が想定よりも少なかったということによるものが六千五百億と。合わせて七千三百億円近いうち、圧倒的にやはり年度内の利払い日が到来した国債が想定よりも少なかったということの要因の方が大きいわけでありますので、今、私、広田委員が百八十度というふうにおっしゃった意味は、多分、ウエートの高い方を言うべきであって、ウエートの少ない方を「など」として表現しているのは余り適切ではないんじゃないかと、こういう指摘だろうと思いますので、これは翌年度からは直しておりますし、先ほどの会計検査院の御指摘をしっかりと承っていると、こういう理解でございます。
○広田一君 副大臣の方から非常に丁寧な御答弁をちょうだいしました。
 これまで、同様の質問をした場合にはすべて金利の低下ということを理由にしておりましたが、実際はそうではなかったということが今回の会計検査院の指摘で分かり、その後、これに基づいた改善策というものを今後考えていかなければいけないんだろうと思います。といいますのも、この国債の利払い費というのは非常に巨額に及びます。ですから、一定程度様々な見直しをすることによって、逆に言えば、これも後で若干質問しますけれども、大幅な額を縮減することができる分野でもありますので、是非とも更なる御検討をお願いしたいというふうに思います。
 それで、少し具体的に中身についてお伺いをしたいんですけれども、平成十八年度に百三十三兆二千三百五十一億円というふうに見込まれておりました年度内に利払い日が到来すると想定された国債発行額なんですけれども、これは平成二十年度の当初予算においては一体幾らになっているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 二十年度の当初予算において、今、十八年度は百三十三兆、それに対応するものという金額で言うと百十八兆円というふうに承っております。
○広田一君 そのうち、年度内に国債利子が支払われた国債発行額は一体幾らになるでしょうか。
○副大臣(峰崎直樹君) これは発行時期のずれが生じておりまして、二十年度内に利払い日が到来した国債の発行額は約五十六兆円ということでございます。
○広田一君 そうすると、一体何%ぐらいになりますでしょうか。
○副大臣(峰崎直樹君) 割っていただくと、約四八%ぐらいじゃないかなと、五〇%をちょっと切るぐらいじゃないかと思いますが。
○広田一君 平成十八年度の場合は百三十三兆二千三百五十一億円に対して七十兆九百四十二億円ということで、五二・六%にとどまっております。また、二十年度については五〇%を切っているというふうなことを考えますと、つまり約半分が利払い期日が到来しなかったというふうなことになるわけでございます。この点を確認した上でちょっと次の質問をしたいと思うんですけれども。
 そうしますと、平成二十年度の国債発行計画を見てみますと、発行について、例えば十年債は一・九兆円掛ける十二か月の二十二・八兆円というふうに、毎月毎月発行しますよということで平準化をされているわけでございます。利子の支払期というのは、通常、発行日から四か月から六か月後に到来するというふうに言われておりまして、一方で、御説明があったように、百十八兆円分も利払い日が到来するということを考えますと、これ上期に集中して国債を発行しなければならないということになるわけでございます。これが大前提になります。  そうであるとすると、上期に集中発行を想定している当初予算と平準化して発行するとしている国債発行計画とで考え方が相当違ってくるんですけれども、この点についての御説明をいただければと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 大変重要な点を御指摘を受けていると思っておりますが、国債管理政策上は、我々は非常に平準発行というのが望ましいというふうに理解をしておりまして、一方では、そうは言いつつも、国債の利払い費の計上に当たっては、国債が国の信用の背景を成して我が国の金融市場の中核を成すものだと、非常に信用度が問われるところでございますので、それに応じたやはりプルデンシャルというか、非常にそういうものが求められているという観点に立つべきではないだろうか。
 ここで少し、考え方としては非常に慎重なというか保守的なといいますか、そういう考え方を入れているわけでありまして、その際、利払い費については、今申し上げたように、やっぱり予算額が不足を来したり、あるいはそういう懸念を持たれてもいけませんので、十分な予算上の措置が必要であるということから、国債発行計画を前提としつつも、発行の上期への前倒しを織り込むということで慎重な前提に基づいているということでございまして、多少、そこの平準化と前倒しという考え方と、前倒しをしていながら、実はそれは平準化していけば、後ろの方で発行すればそれが、利払い費が入らなくなるということで、その差額が比較的多く生み出されてくると。ある意味では非常に慎重な対応をしているということを御理解いただければなというふうに思っております。
○広田一君 ただいまの御答弁を踏まえて一点確認したいんですけれども、冒頭、峰崎副大臣の方から保守的に見積もっているというふうなお話、また先ほどもそういった言い方をされたわけでございますけれども、この点については私も十分に理解をすることができるわけでございます。
 ただ、これまでの歴代財務大臣の御答弁は、繰り返しになりますけれども、国債金利の想定金利を下回っているというふうなことを理由にされて、そのことを踏まえて、これはマーケットで決まることなので非常に予想し難いことなんだと、だから相当保守的に予算確保しているんだというふうなたてり、理屈立てだったと思います。
 ただ、実態面として、これまで議論してきたように、実際は利払い期日が到来しないものがほぼ大宗を占めているということが分かったわけでございます。そして、その利払い期日が到来する、しないというふうなことは国債管理政策上大変重要なことでございますけれども、一方で、平準的に発行していくことがやっぱり望ましいというふうなことに立った場合は、私は、この平準化されている国債発行の実態に合わせた見直しを進めることによりまして相当の金額について利払いの予算計上といったものが結果的に縮減されていくんじゃないかなというふうに思いますけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 広田委員の御指摘、私もこうして答弁に立つ前までは、金利低下の、金利がもしかすると上がったりすることに対するバッファーとしてある程度、比較的二%という、今は一・三とかになっていますけれども、それだけぐらいはバッファーがあればいいだろうというふうに思っていたわけですが、こういういわゆる平準化で発行して、十年債であれば最初の年だけに該当するわけでありますが、そういう意味で最初の年で利払いが来ないものもかなりのウエートを占めているとすれば、これについてどういうふうに考えたらいいのか。  これは、単に利率の、市場によって決まってくる利率がどうなっていくかということと並んでいろんな検討材料があると思いますし、予算の策定に当たる財務省当局としても、今、広田委員御指摘のような点についても十分検討した上で、これからどうあるべきかということについては慎重にやはり検討していきたいなと思っております。
○広田一君 是非ともよろしくまたお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、ちょっと若干別の視点でこの国債の利払い費について何点か質問したいと思うんですけれども。
 平成二十年度、今年度予算におきまして、国債の利払い費につきまして概算要求と比べてどのような結果になったのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(峰崎直樹君) 平成二十年度の当初予算……
○広田一君 二十二年度。
○副大臣(峰崎直樹君) 二十二年度ですか。平成二十二年度において利払い費が、あっ、分かりました。
 この平成二十二年度は、これ概算要求の段階で積算金利の見直しをしました。これは概算の段階は二・五だったんですけれども、それを二・〇というふうに引き下げたわけでございまして、このいわゆる平成二十二年度予算においては、積算金利を見直したことにより、利払い費は概算要求の段階から約一・二兆円減少するということでございまして、過去五年間も同様に概算要求に対し、最高でも一・七兆円の減額、最低では〇・六兆円、この間で、絶えず概算要求と実際に当初予算を策定した段階ではそういう形になっているということでございます。
 これは、実は概算要求における積算金利というのは、将来の金利水準を見通すことが非常に困難だ、さっき市場でもう決まってくるということを申しました。これで前年度の要求時の積算金利を、これを基に機械的に算出したもので、予算の決定時においては、予算編成時点における経済金融情勢などを勘案しつつ、利払いに不足を来したり、そのような懸念を市場に持たれないように金利の設定を行っているというのが実態でございます。
○広田一君 御答弁をちょうだいしました。
 一点、確認をしたいんですけれども、この概算要求のときの金利設定といったものが二・五%というのは、これはやはり相当保守的なのかなという感じがいたします。そこから二・〇%の方に〇・五%引き下げたわけでございますけれども、ここで各委員の皆様方にも是非御理解していただきたいのは、わずか〇・五%引き下げるだけで約一兆二千億円予算が減額できるという。これは本当に、それほど逆に言えば巨額の国債を発行しているということにもなるでしょうし、そして適切な見直しをすることによってこれだけ予算も縮減をすることができるということの一つの象徴的な私は事例じゃないかなというふうに思っております。
 ただ、一方で、概算要求時点で二・五%というふうに見積もっていたものを二・〇%にする場合の、御答弁の中にあった経済金融情勢、この間に何か特別に、例えば長期金利が下がっていったとか、情勢の変化等が具体的にあったんでしょうか。
○副大臣(峰崎直樹君) これは、恐らく概算要求の段階においては、一体どういう基準で設けているかということについては、先ほども申し上げたように、いわゆる前年度の対応ということで積算金利を基に機械的に算出をしていると。
 問題は、その年の十二月に内閣府が経済見通しとか一応立ててくるわけでありまして、そういった経済見通しに従って長期金利がどういうふうに推移するかということもおおよそ推計をしていくわけですね。
 ですから、その段階において何が起こっているかということがやはり予算を策定する場合の最後の、直近の段階でどういう見通しを立てるかということが重要になってくると思うんですね。やはり金利の上昇の問題やそういうものが見通し得る可能性があるとすれば、その段階で、概算要求の段階で概算の金利水準よりも変えないとか、そういうこともあり得ると思っておりますし、このソブリンリスク、これらの問題について、我々としてもやはりここは非常に慎重に見通しをして、先ほど申し上げたように、少なくとも利払いに不足を来したり、あるいはそういう懸念すら持たれないような状態に、我々は国家信用といいますか、財政当局としては最大限そこは配慮していくということに立っているわけでありまして、その点は是非理解をしていただければなと。
 概算から下がっていく分については、夏の段階における概算要求の段階の設定水準と、それから十二月の段階で少し、いつもサバを読んでいるんじゃないかとよく言われるんですけれども、決してそういう観点で作っているわけではなくて、そういう一つのルール化されたもので、しかも市場の見通しをしっかり踏まえてやっていくということが一番重要なんじゃないかなというふうに思っております。
○広田一君 新政権になりまして、適切な、今後の経済情勢等を見通した上で金利を〇・五%引き下げた。中でも、繰り返し御答弁がありますように、利払い費について不足を来すことのないよう、このことによって国債マーケットに不必要な動揺がもたらされないように配慮もしながらこれだけの縮減をされたというふうなことというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 そういうことになりますと、これも少しお話がずれてしまうんですが、実は財務省の公表資料であるものの中に「徹底した予算の効率化」というふうな公表資料がございます。この中に概算要求段階からの歳出削減というふうな項目があるんですけれども、実はこの中に国債利払い費の概算要求からの減額というものが入っていないんですよ、実は。
 私は、峰崎副大臣がおっしゃったように、きちっと概算要求から客観的に見直して減額をしたというふうなことであるんだったら、やはり一兆二千億円という大変大きな額を概算要求段階から歳出削減したわけでございますから、この徹底した予算の効率化というふうなものの中に今回の利払い予算についての記述をすべきじゃないかなというふうに私自身は思うんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(峰崎直樹君) 恐らく財務省の公表資料というのは、御指摘の資料というのは、二十二年度の予算編成に当たって、マニフェストの工程表の主要事項を実現するための行政刷新会議における事業仕分等を通じてすべての歳出について徹底的に見直しを行った結果、概算要求段階から一兆円の歳出削減を実現をして財源を確保したという、昨年の秋の概算要求をどう切り込んでいくかという、多分その数字を御覧になっているんだろうと思うんですね。
 この一兆円と、その中には、一般歳出には国債費とか地方交付税とか決算調整資金繰戻しというのは含んでおりません。そういう意味で、御指摘されたものに入ってはいないわけでありますが、かなりこれは機械的に決まってくるものなので、マニフェスト工程表の主要事項を実現するための財源というふうにとらえるとしてはちょっとやはり適当でないのかなというふうに考えて歳出削減額には加えていないということでございます。
 何度も強調していますけれども、いずれにせよ、しかし、このいわゆる利払い費あるいはこういった国の支払というものに対する疑念をいささかも持たれないように、やはりGDPで一〇〇%を超える世界で最も借金を抱えている我が日本としては、この点は慎重の上にも慎重を期しているというのは改めて強調しておきたいというふうに思っております。
○広田一君 そこで、ちょっとこの利払い問題について最後の質問になろうかと思うんですけれども。
 今回の平成二十年度の決算を見た場合に、本当にこの二十年度予算においての国債利払い費の計上の考え方というものが適切であったかどうか、この点についての御評価と、このことを踏まえて、先ほど来の議論から本当の不用額の発生理由といったものが利払い期日の到来が来なかったというふうなことであるんだったら、今後、私自身、きちっとした見直しをすることによってここについてこれまでと違う予算計上の仕方ができるんじゃないかなというふうに考えておりますけれども、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 今、広田委員の方から、不用額の中の半分前後を占める利払い費についていろいろと御質疑をいただいてまいりました。
 私も今のお話を聞きながら、単年度でこういうことがあるのは、場合によってはそういうこともあり得るかもしれませんが、長年恒常的にかなり巨額の不用額が立っているというのは、やはりいろいろ理由があるにしても少し適切さを欠いているのかなということをお聞きしながら考えておりました。
 利払いについては、予算額の不足を来したり、あるいはそのような懸念を市場に持たれない、不測の混乱を招かないようにという、今、峰崎副大臣から答弁させていただいたそういう観点が必要であったことはそのとおりでありますけれども、こうした観点から見てもやや見積りが不適切であったのかなと思っております。
 そこで、御指摘のように、利払い費の不用が発生していることは事実であり、引き続き必要な見直しを行いつつ、適切な見積りに努めてまいりたいと考えております。例えばですけれども、積算上どの時期に発行するかという、早い時期、遅い時期の比率などを少し変えればもう少し現実に近いところにも近づいてくるのではないか、こういうことを含めて、御指摘を踏まえて必要な見直しを行ってまいりたいと、このように考えます。
○広田一君 先ほど菅大臣の方から御答弁がございましたように、是非とも決算の結果とそして実態に合わせた予算計上の見直しに取り組んでいただきたいというふうに思います。よろしくお願いを申し上げます。
 〔後略〕


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