総務省(行政評価局)は21年11月に「
契約における実質的な競争性確保に関する緊急実態調査 −物品調達を中心として−の結果概要」を公表しており、その中で、高度救命処置シミュレーターの調達は
調達物品の性能仕様の適切化の事例3として、
事前審査の実施方法、審査基準等の明確化の事例1として、
政府調達における仕様書案に対する意見招請等の手続の遵守の事例1として記載されている。
決算審査では実態調査後の
22年4月5日の決算委員会で取り上げられているが、次の質疑からは質問者が総務省の緊急実態調査に先立って問題を指摘していたように思われる。
○大久保勉君 是非、資料の一を御覧ください。いや、ここまで見ましたら、一般競争入札で普通の入札かなというふうになりますが、ここが非常に面白い構造になっています。一つだけ私が注目したのは、まず落札率九九・三三%、極めて正確な札入れをしているなということで調べてみました。
それで、一般競争入札ということで二社が入札をしたということなんですが、いろいろ調べましたら、ここにからくりがあるんです。例えば、この入札を入れた会社といいますのは、あるメーカーの販売元です。で、製造者は一社ということなんです。ですから、一般競争入札に見せかけて実は随意契約だと、場合によっては官製談合じゃないかと、こういったことで、私は去年の九月からこの案件を調べてみましたら、出るわ出るわ、いろんな問題が出てきました。
じゃ最初に、実はこのことに関しては原口大臣に御相談して速やかに改革をされたということがございまして、この点に関して原口大臣に質問しますが、一般入札として条件設定は適切であったのか、販売元が二社であっても製造元が一社で、本当の意味では競争ではないと、こういったことがございます。どう思われますか。
○国務大臣(原口一博君) これも旧政権時代で行われたことでございますけれども、大久保委員が私に御指摘をいただいて、早速調査チームをつくりました。随意契約をやめるといいながら、実質一者入札、あるいはここの例にございますように、商社が二社であっても製造メーカーは一社と、それだと何のために一般競争入札にしたのか、それも疑われると。こういったことについて全省的に見直す、そのきっかけをいただいたのがまさに大久保委員でございました。私は今回の案件については、これもう処分もしておりますけれども、極めて不可解な案件だと、このように考えております。
質疑者は
ブログでも言及している。
決算委員会で議決案の決議があった後、総務大臣から「……、高度救命処置シミュレーターに係る消防庁の不透明な調達について、……の警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも一層努力してまいる所存であります。。」との発言があった。