各府省所管公益法人を契約相手方とする国発注の調査研究事業は、平成l9年度の1年間で3,498件、1,260億円に上っている。しかし、これらの事業に関しては、随意契約が件数割合で72.6%と大部分を占め、競争契約でも一者応札の件数割合が58.3%に達するなど、競争性が確保されているとは言い難い状況にあること、再委託が行われている契約の件数割合が全体の13.4%あり、その中には再委託率が50%を上回つているものも見受けられること、成果物を公表している調査研究の件数割合が39.9%で、このうちインターネットによる公表は14.3%にとどまっていることなど、多くの課題が本委員会の検査要請に基づく会計検査報告において指摘されている。
政府は、調査研究事業を所管公益法人に発注する必要性について、個別に再点検すべきである。また、今後継続して所管公益法人に調査研究事業を発注する場合においては、契約の競争性及び透明性の更なる向上を図るとともに、当該調査研究事業の成果が広く国民に公表されるよう努めるべきである。