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民主党政権による事業仕分け

 平成22年夏の総選挙で誕生した民主党政権は、無駄の排除と埋蔵金発掘による新しい財源による、増税することなく(4年間は増税しないとの方針で)、こども手当、農家戸別直接補償、高校無償化、高速道路無料化といった多額の財政負担を必要とする施策を推進することとしていた。
 この無駄の排除と埋蔵金発掘を行うことが期待されていたのが、行政刷新会議が行うこととしていた事業仕分けである。この事業仕分けは、加藤秀樹氏が大蔵省を平成9年に退官して設立した組織「構想日本」が提言し、地方自治体について行っていた取組である。同氏は平成17年2月15日の決算委員会で次のような説明を行っている。
○参考人(加藤秀樹君) 構想日本の加藤でございます。
 〔中略〕
 今まで八県四市でやりました平均が六ページにあります。市町村の場合には、引き続きやっぱり市町村でやった方がいいというのが七割、仕分をした結果、ほかの行政機関、要するに県あるいは国でやった方がいいというのが一六%、要らない、あるいはもう民間に任せた方がいいというのが一三%に上ります。それから、県、八県の平均でいきますと、引き続きやっぱり県でやった方が、やるべきなんではないかというのが六割、あとの四割は要らない若しくは、大部分が市町村なんですけれども、市町村に任せた方がいいということになってあります。平均すると十何%かになります。
 雑な議論にはなりますけれども、もし地方財政計画、これが八十数兆円あるいは九十兆円弱ですから、これに当てはめますと、十兆円近くのお金が要らない、あるいは民間でやったらいいということになると、こういうことを今、大分減って二千数百の自治体ですけれども、当てはめていくとそういうことが言えると思います。
 ちなみに、この作業は大体二泊三日ぐらいの合宿形式でやります。ですから、まあ二、三日やっただけで十兆円ぐらいの予算が切れる、しかもそれはその当該自治体の職員も納得ずくの上でこれぐらいのことができるんだということ。しかも、これは先ほど申し上げましたけれども、今百個のことをやっている、その百個が八十個でいいんじゃないかという作業だけなんですね。一個ずつが一億円が八千万でできるんじゃないかという議論はこの中に含まれていないわけです。ですから、それを更にやるともっと実は要らないなあということが縮まるんじゃないかということであります。
 それをもう少し詳しく項目別に並べましたのが七ページであります。これは新潟の例です。
 議会、総務、警察、県民生活・環境、土木、これは新潟県での予算のくくり方なんですけれども、この辺は最大項目が引き続き県ということです。それから、教育になりますと六割は市町村に移した方がいいということになりますし、産業労働になりますと七割はもう要らないんじゃないかということでありますし、地方労働ですと、これは一〇〇%国にやってもらった方がいいという結果に出ております。
 以上が仕分の話であります。要するに、項目を切っていきましょうという作業です。
 〔後略〕
 このように、市町村について行っていた事業仕分けを国について行うという試みは、民主党政権以前からあった。18年6月施行の「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(平成十八年六月二日法律第四十七号)は「基本理念」として第2条で「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革は、国際化及び情報化の進展、人口構造の変化等の経済社会情勢の変化の中で、我が国の国際競争力を強化し、国民が豊かで安心して暮らすことのできる社会を実現するためには、民間の主体性や自律性を高め、その活力が最大限に発揮されるようにすることが不可欠であることにかんがみ、政府及び地方公共団体の事務及び事業の透明性の確保を図り、その必要性の有無及び実施主体の在り方について事務及び事業の内容及び性質に応じた分類、整理等の仕分けを踏まえた検討を行った上で、国民生活の安全に配慮しつつ、政府又は地方公共団体が実施する必要性の減少した事務及び事業を民間にゆだねて民間活動の領域を拡大すること並びに行政機構の整理及び合理化その他の措置を講ずることにより行政に要する経費を抑制して国民負担の上昇を抑えることを旨として、行われなければならない。」と定めており、「構想日本」自身が自らの事業仕分けを意味するものとして、そのサイトで次のように説明している。
 2006年5月に制定された「行政改革推進法」や、7月の「骨太の方針」に事業仕分けの実施が明記。それを受けて、「経済財政諮問会議」でも国の事業仕分けについて議論されましたが、霞ヶ関の抵抗もあり実現には至っていませんでした。
 そして、同サイトでもあるように自民党のチームが文部科学省について行ったのが国に関する事業仕分けの最初である。
 そのような中、2008年8月、自民党「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の河野太郎チームが文部科学省に事業について「政策棚卸し」(事業仕分け)を実施するにあたり、構想日本も全面的に協力。一般公開のもと、自民党議員に外部有識者(校長や市長経験者、自治体職員など)が加わって議論し、初の国の事業仕分けが実現しました。その後、環境省(9月)、財務省(10月)、外務省/各省ODA(12月)についても実施。文科省の際には延べ700名の傍聴者が集まるなど、多くの反響をいただきました。
 しかし、この動きは、一部で報道されたものの、国民的関心を呼ぶところまではいかなかった(河野太郎座長自身が民主党政権事業仕分けをうらやましがっている)。
 そして、民主党も政権に就く前の21年4月から6月にかけて事業仕分けを行い、その総括として次のように述べ、国の財政で10%程度の削減は可能であるとの認識を示したいた。
試行段階ではあるが、「改善額」は対象事業額の26%となった。民主党はマニフェストで、既存予算の10%強の節約を見込んでいるが、政府の全事業を徹底的に精査すれば、その達成が十分に見込める結果であると考える。
 このように、指摘しやすいものを試行の対象にしていた、との認識に欠けたまま、選挙戦を戦って勝利し、政権を獲得した。そして、政権獲得後に行った事業仕分けで3兆円を期待しつつ、削減効果があまりにも少ないことに気付かされることになる。

 この事業仕分けについて、決算審査では事後評価的性格に関連しての質疑が行われている。

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