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参議院の決算審査の重視
参議院サイトはホームページからのリンクとして「参議院改革の歩み」なるページを設置している。このページでは次のように述べている。
参議院改革協議会は、昭和52年(1977年)11月に設置されて以来、歴代議長の提言等を踏まえ、本院の組織及び運営に関する諸問題について調査検討の上、その改善策を答申し、これに基づいて多くの改革が実施されています。
以下の年表は、これまでの各会派代表者懇談会における要請及び参議院改革に関係する事柄について参考として記載し、提出された関連する文書を閲覧できるようにしたもので、これまでの参議院における改革の実績をまとめたものです。
この年表で強調されていることの一つが決算重視である。
- 参議院運営の改革に関する意見書(昭和四十六年九月二十三日 参議院問題懇談会)
第二 改革のための諸方策
三、充実した審議
(5) 決算審査の重視
参議院は行政監督の機能の発揮につとめ、特に決算の審査を重視し、審査にあたっては、会計検査院の検査報告にのみ重点を置くことなく、予算の執行が国会で議決された趣旨に沿っているかどうかの実際を深く検討することが望ましい。
- 参議院改革協議会報告書 昭和五十七年二月二十四日
二、当面の運営問題について
5 決算審査の充実の問題
参議院における決算審査の一層の充実を図るため、次の事項に配意する。
一、政府は決算委員会の審査日程の確保に積極的に協力すべきものとする。
二、総括質疑の充実を図る。
三、警告決議に基づき採った措置について政府は適時委員会に報告するものとする。
- 参議院改革協議会報告書 昭和六十年十一月二十日
総括的質疑の充実等決算審査の改善について
決算審査は、国会の財政監督権の中心を成すものであり、予算執行の実績である決算の審査は、予算審査とともに、国会の財政に関する権限のいわば車の両輪とも言うべきものである。
以上のような観点から、本院においては、かねてより、予算審査と同様に決算審査の充実に努めてきたところであり、参議院改革協議会も去る昭和五十七年二月二十四日の報告書において、審査日程の確保、総括質疑及び警告決議に関する三項目の改善事項を答申した。
本小委員会は、その後の決算審査の実情及び決算審査の時期、方法等の改善策について検討を行ったところ、総括的質疑の充実等決算審査の基本的見直しについては、二院制下の参議院の性格から考えて、むしろ予算審査よりも決算審査に重点を置くべきであり、予算審査の改革と併せて行うべきであるとの意見があった。しかしながら一方、直ちに予算審査の縮減につながることは慎重に対処すべきであるとの意見があった。本小委員会は、本問題が極めて重要であり、今後引き続き時間をかけ慎重に検討すべきものであるとの意見で一致した。
- 参議院制度改革検討会報告書 平成八年十二月十六日
二 決算審査の充実について
1 決算の早期提出を政府に求めるとともに、早期提出を確実なものとするため財政法及び関係法令の改正を併せて求めるべきである。
常会の一月召集(第百二十三回国会・平成四年)に伴い、決算の提出時期が財政法第四十条の規定により、十二月から翌年一月に変更された。決算の提出時期については、一月以前においても可能であると考えられるので、政府において早期提出に努力するよう求めるとともに、早期提出を確実なものとするため、例えば秋に臨時会が開かれる場合には、その国会に提出するというような財政法及び関係法令の改正を併せて求める。
なお、決算の早期提出問題は、参議院独自の問題ではなく、両院共通の問題であるので、議長においては、速やかに衆議院議長と協議されることを希望する。
2 早期提出を求める以上は、参議院としても決算の早期審査を行う必要がある。決算が早期提出された場合には、当該国会において直ちに概要報告を聴取し、決算委員会が早期に審査できるよう配慮すべきである。決算の早期提出が実現されるまでの間は、常会冒頭に行われる代表質問の議事に引き続き決算の概要報告を聴取し、決算委員会が常会の会期当初から審査できるよう配慮すべきである。
3 警告決議の議決及び警告決議に対して内閣の講じた措置の報告について改善すべきである。
改善の方法について次のことが考えられる。
・本会議における警告決議議決の際、内閣総理大臣に所信を述べさせる。
・警告決議に対して内閣が講じた措置の報告について、内閣総理大臣名で議長あてに報告書を提出させるとともに、当該報告を直近の本会議録に掲載するものとする。
・政府の責任を明確にするため、決算の是認否認にかかわらず、警告決議を行うことができるものとする。
4 検査官の任命同意に関する衆議院優越規定を削除すべきである。
会計検査院は政府の財政の執行を監視し、検査することを任務とする憲法上の機関で、内閣に対し独立の地位を持つ公正中立的な機関である。したがって、このような重要な機関であるからこそ、検査官は民主的な方法により任命されることが求められる。いやしくも両議院が同意しないものを任命することは妥当ではないと考えられるため、会計検査院法第四条第二項等を削除する。
5 その他、決算審査の充実に関連して、決算委員会においても次の事項を検討願いたいとの意見で一致した。
(1)決算審査に当たって、審査の成果が後年度の予算編成及び政策遂行に一層反映できるよう審査すること。
(2)決算審査に当たって、各省庁の事務次官を出席させること。
- 参議院の将来像に関する意見書(平成十二年四月二十六日 参議院の将来像を考える有識者懇談会)
III 改革の基本的方向
上記のような原則的な考え方に立つとき、衆参両院における審議の重複等を避け、参議院の特色を一層発揮するために、我々は多面的な改革が必要であると考え、以下のような具体案を提示する(※は憲法改正を要するものである)。
1 衆参両院の機能分担
(2) 参議院は審議の重点を決算審査に振り向ける。
決算審査の意義を高めるため、決算報告書の審査及び予算執行に関する評価が政府の次々年度の予算編成に間に合うよう決算の提出時期・審査方法の改善を図ることが必要である。これが実現すれば、政府に対する警告決議の重みも増すため、参議院は決算審査の充実に力点を置くことが可能になる。その場合、参議院は予算審議の在り方を再検討し、審議の重点を決算審査に振り向けるようにしてはどうか。
- 参議院改革協議会報告書 平成十五年一月二十九日
決算の早期審査のための具体策について
1 決算委員会が早期に決算の審査を行うことを可能とするため、平成十三年度決算(第百五十六回国会召集日提出)からは、決算が提出される常会の冒頭に、本会議における概要報告の聴取及び質疑を行うこととする。
本院予算委員会の総予算の基本的質疑終了後、予算委員会終了までに決算委員会の全般的質疑の一日を行うこととし、出席大臣は内閣総理大臣以下全大臣とする(TV入り)。
決算審査は、審査の結果を翌年度予算編成の概算要求に反映できるようにするため、常会中に終了するよう努めるものとする。
2 決算の早期審査を確固たらしめるためには、さらに決算の早期提出が必要である。この点に関しては、財政法の改正を含め検討するとともに、衆議院議長と協議の上、内閣に対し決算を秋の臨時会に提出するよう求め、臨時会中の本会議における概要報告の聴取及び質疑を可能とすることとする。
- 参議院改革協議会報告書 平成十五年七月二十八日
当面の課題について
3 決算重視の立場から、決算委員会における決算審査の初日は全閣僚出席の下に行うこととし、予算委員会における総予算審査の基本的質疑二日間のうちの一日分を充てるものとする。
以上の三点について座長として意見を聴いたところ、大方の賛同を得た。
なお、基本的な考え方に対して基本的に賛成だが、2については現在の厳しい財政状況の中で予算の増額は考えるべきであるとの意見、3については予算、決算の日程は現場で協議すべきであり改革協議会で考えるべきでないとの意見があった。
19年1月30日参議院本会議で政府4演説に対する質疑が行われた。その質疑で参議院自由民主党議員会長が参議院の決算に関する取組を次のように説明している。
○青木幹雄君 私は、自由民主党を代表して、安倍総理に質問をいたします。
……
まず、決算について伺います。
御案内のとおり、民間の企業経営に当たっては、予算や経営計画などを立てる際、前年度の事業実績である決算を検証し、それを反映させていくことが当然のこととして行われております。決算の後に予算を決定する、この基本的な仕組みは国政にとって本来最も大切なことだと思っております。
しかし、国においては決算は軽視され続けてまいりました。そこで、この現状を改めて、効果的、効率的な行財政運営のため、決算の重要性を高めることが求められてきたと認識をいたしております。
こうした中、本院では、平成十五年一月の参議院改革協議会による決算の早期審査のための具体策の合意を機に、その具体化が図られることとなり、既に十六年度決算まで四年連続で通常国会内に審査を終えてまいったところであります。十七年度決算は、会計検査院等の努力により、昨年十一月下旬に国会提出され、本会議で質疑を行い、十二月には決算委員会において全閣僚出席の下、質疑が行われました。
このように、予算編成前に参議院の決算審査を開始するという仕組みを定着させることで、決算審査を予算へ的確に反映させていくよう努めなければならないと考えております。
しかし、一昨年の十六年度決算は、臨時国会が秋に開会されなかったため、審査の開始が翌年の通常国会冒頭となりました。そのため、十六年度の決算審査は十八年度予算編成に何ら反映されることがなかったのであります。
こうしたケースもあることから、秋に決算審査をいかにスタートさせていくのか、法改正を含め、審査の実施の在り方について我々参議院としてもしっかりと議論をしていかなければならないと認識をいたしております。
また、参議院では、こうした決算の早期審査だけでなく、審査内容の充実や会計検査院の機能強化のための取組も行っており、一昨年には、随時報告を可能とするなど会計検査院法の改正を行いました。これは、会派を超えて参議院が一致結束して立案した議員立法であります。この検査院による国会への随時報告は有識者からも高い評価を得ており、我々としても国会の場で的確に取り上げるよう努めてまいります。
改めて申すまでもなく、参議院は衆議院とは異なり六年間の任期で解散がないため、じっくりと腰を据え、長期的視野に立った政策効果の検証が可能であります。したがって、今後ともこの参議院の特性を生かし、決算審査の充実化はもとより、より実効性の高い警告決議の採択などを図り、決算に対するチェック機能を強めていきたいと考えております。
ここで、誤解を招くといけませんので申し上げますが、決算審査の強化は、参議院の独自性の観点からのみで主張しているわけではありません。深刻化する少子高齢化や財政状況の悪化など様々な課題がある中、これらを克服し、我が国が永続的に発展していくためには、決算を予算に反映させ、行財政執行の適正化を図ることが不可欠と考えるからであります。そのために我々は、今後とも、会計検査院の連携協力を得つつ、一層の努力を積み重ねてまいります。政府においても、参議院決算審査に引き続き御協力をいただくよう要望をいたします。
そこで、以上の点を踏まえて、改めて安倍総理から参議院の決算審査についての御所見を伺うとともに、政府として本院の決算審査を受け予算の効率化にいかに取り組まれているのか、御答弁をお願いいたします。
……
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 青木幹雄議員にお答えをいたします。
参議院における決算審査と予算の効率化への取組についてお尋ねがございました。
決算を取りまとめた後、国会において御審議いただくことは、国民への説明責任を果たすなどの観点から重要なことと認識をいたしております。この点につきましては、参議院において、これまでも特に決算審査を重視され、種々の改革を進められてきたことについて改めて敬意を表します。
また、参議院における決算審査の結果を受け、例えば十九年度予算においては、特別会計における約一兆八千億円の余剰金等の一般会計への繰入れや公益法人等の資金規模の見直しによる約一千億円の国庫返納を措置するなどの取組も行っております。
今後とも、様々な面から予算の効率化に努めていくことが重要であると考えております。
……
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