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参議院決算委員会平成16年度決算審査措置要求決議
6 IT調達に係る契約の在り方について


 決議内容 決議の背景 決議時点での当局の姿勢 決議の効果

 決議内容
 参議院決算委員会の平成16年度決算審査措置要求決議の「6 IT調達に係る契約の在り方について」の内容は次のとおりであり、政府に対する措置要求決議である。
 会計法第29 条の12 は、電気等の供給や電気通信役務の提供に関する契約について、例外的に長期継続契約の締結を認めているが、政府は、36 のレガシーシステムのうち10システムに関する業務について、電気通信役務に該当するとして長期継続契約によっている。
 しかし、レガシーシステムに関する業務は、通常想定される電気通信役務とは異なるものであり、会計法上、長期継続契約が例外と位置付けられていることを踏まえれば、現在の運用については議論の余地がある。
 政府は、会計法の原則に照らし、レガシーシステムに関する業務について長期継続契約を認めている現状の是非を検討し、当該業務に関する契約について会計法上の位置付けを明確にすべきである。

 決議の背景
 IT調達に係る契約については、会計検査院が15年11月の報告書に「国の情報システムの調達に関する契約と行政の情報化の推進体制について」を記載している。  決算委員会では17年6月決算審査措置要求決議で「ITシステムの見直しについて」も決議しており、会計検査院に対して、次の検査要請を行っている。
一、会計検査及びその結果の報告を求める事項  (一)検査の対象
内閣、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、国会、裁判所、会計検査院
 (二)検査の内容各府省等におけるコンピュータシステムについての次の各事項
1 各府省の株式会社エヌ・ティ・ティ・データ等コンピュータシステム会社に対する事務・業務の委託契約の状況
2 保守・運用契約の競争性、経済性の状況
3 主なシステムの利用の状況
4 情報セキュリティの管理体制の状況
5 電子政府構築計画に基づく「業務・システム最適化計画」の作成を予定しているシステム(レガシーシステムを含む)の現状と最適化に向けた取組の状況
6 右を踏まえた決算内容の検証
 そして、18年5月29日の委員会では、レガシーシステムに関する業務を長期継続契約によることの是非が論じられている。


 決議時点での当局の姿勢
 委員会で決議があった後、財務大臣から「ただいまのIT調達に係る契約の在り方について、……についての審査措置要求決議につきまして、適切に対処いたしますとともに……」との発言があった。


 決議の効果
 18年10月に会計検査院は、「各府省等におけるコンピュータシステムに関する会計検査の結果について」(<概要>(PDF・約324 KB)、<全文>(PDF・約4,917KB))と題した報告書を参議院に提出しており、その中で、決議が指摘している問題については「5 電子政府構築計画に基づく「業務・システム最適化計画」の作成を予定しているシステム(レガシーシステムを含む)の現状と最適化に向けた取組の状況」「(1) 業務・システム最適化計画策定対象のシステムの現状」「エ データ通信役務契約の状況」で、「(ウ) データ通信サービス契約と長期継続契約」として次のように述べている。
 会計法第29条の12においては、「契約担当官等は、政令の定めるところにより、翌年度以降にわたり、電気、ガス若しくは水の供給又は電気通信役務の提供を受ける契約を締結することができる。」と規定されており、各省庁では、データ通信サービス契約による役務は、予算決算及び会計令第102条の2第4号に規定する「電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第5号に規定する電気通信事業者が提供する電気通信役務」であるとして、長期間にわたってNTTデータとの間で長期継続契約を行ってきた。
 しかし、現在提供されているデータ通信サービスについては、前記の残債の状況に示されるように、実質上、過去に発生したシステム開発費用の繰延払いとなっている。
 長期継続契約は、長期にわたって給付が継続することが明らかであって、かつ、契約期間における支出額がその使用量に依存するなどのため契約金額をあらかじめ定めることが不可能なため、国庫債務負担行為によることができない場合についてのみ適用される。しかし、現在提供されているデータ通信サービスについては、その利用料金の構成要素をみると、前掲図表5-5のとおり、ハードウェア使用料、ソフトウェア使用料、その他の費用(電力設備使用料、局舎使用料、端末使用料、回線使用料、工事費等)から構成されており、ハードウェア等に関しては、分離して調達することが可能であれば、各年度における契約金額が確定し、長期継続契約になじまないと考えられる。
 これらのことから、各省庁においては、今後、同種内容の調達を行うに当たっては、必要に応じて国庫債務負担行為を活用することなども検討し、将来にわたって発生する実質上の債務の内容を明らかにして透明性を高めることが望まれる。

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