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参議院決算委員会平成15年度決算審査措置要求決議
5 ITシステムの見直しについて
決議内容 決議の背景 決議の位置付け 決議時点での当局の姿勢 決議の効果
1 決議内容
参議院決算委員会の平成15年度決算審査措置要求決議の第5項目「ITシステムの見直しについて」の内容は次のとおりであり、政府と会計検査院に対する措置要求である。
現在、政府部内には、厚生労働省の「社会保険オンラインシステム」を始めとするレガシー・システムが合計36あり、平成17年度予算で約3,572億円の経費が計上されている。また、このほかに、「人事給与システム」や「災害管理システム」などの多くのITシステムがある。
これらのITシステム、とりわけレガシー・システムの調達は、技術的専門性の高さから、その多くがシステム事業者任せになり、システムの詳細がどうなっているのか、各府省側でその内容の把握が不十分なまま特定事業者との間で随意契約が繰り返され、その結果、不透明な契約内容、割高な契約額、システム事業者が開発したソフトウェアの著作権の帰属、システム開発費を分割払としたことによる多額の残債の存在、政府全体として平成15年度におけるIT調達にかかわる決算額を確定することのできない事実等の多くの問題が生じている。
一方、会計検査院の「決算確認システム」では、その運用業務委託契約の業務内容を全面的に見直すとともに、契約方法を随意契約から一般競争契約へ移行させた結果、委託経費がそれまでの約30分の1に削減できたように多大の成果も見られる。
政府は、今後、レガシー・システムを含む77のITシステムについて「業務・システム最適化計画」を作成しシステムの全面見直しを進めていく中で、システム事業者が開発したソフトウェアの著作権の各府省への帰属の実現、システム開発費を分割払としたことによる多額の残債問題の解消等に努め、汎用コンピュータのオープンシステム化、データ通信サービス契約そのものの見直し、随意契約から競争契約への移行等の改善を図るとともに、当該調達にかかわる決算内容の検証・評価を厳正に行うべきである。
また、会計検査院は、以上の観点に留意して会計検査を実施すべきである。
2 決議の背景
3 決議の位置付け
この項目は、内閣に対する警告決議12項目の第3項目として次のように盛り込まれた。
「社会保険オンラインシステム」に係るデータ通信サービス契約において、その経費の積算の検証が不十分であったことは、誠に遺憾であり、また多くの府省のレガシー・システム等IT調達において、随意契約等による契約内容の不透明性など多くの問題が生じていること、加えて政府が当該調達にかかわる決算内容を把握していないことは、看過できない。
政府は、今後システムの見直しを進めていく中で、不透明な契約内容の徹底的な見直し、汎用コンピュータのオープンシステム化、随意契約から競争契約への移行等の改善を図るとともに、当該調達にかかわる決算内容の検証・評価を厳正に行うべきである。
また、決算委員会は、会計検査院に対して「各府省等におけるコンピュータシステムについて」
検査要請を行っている。
参議院のサイトによると内容は次のとおりであり、平成18年秋を目途とされている。
(1)検査の対象
内閣、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、
経済産業省、国土交通省、環境省、国会、裁判所、会計検査院
(2)検査の内容
各府省等におけるコンピュータシステムについての次の各事項
(1) 各府省の株式会社エヌ・ティ・ティ・データ等コンピュータシステム会社に対する事務・業務の委託契約の状況
(2) 保守・運用契約の競争性、経済性の状況
(3) 主なシステムの利用の状況
(4) 情報セキュリティの管理体制の状況
(5) 電子政府構築計画に基づく「業務・システム最適化計画」の作成を予定しているシステム
(レガシーシステムを含む)の現状と最適化に向けた取組の状況
(6) 右を踏まえた決算内容の検証
4 決議時点での当局の姿勢
そして、決議当日(17年6月7日)の参議院決算委員会で棚橋科学技術政策担当大臣が「ただいまのITシステムの見直しについての審査措置要求決議につきまして、適切に対処いたしますとともに、ITシステムの見直しについての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも一層努力してまいる所存であります。」と発言している。森下会計検査院長は「会計検査院といたしましては、ただいまの……等の審査措置要求決議につきまして、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります」と発言している。
また、上記の検査要請は6月7日に参議院議長名で会計検査院長に対して行われ、
会計検査院は、「各府省等におけるコンピュータシステムに関する事項について」検査を実施してその検査の結果を報告する旨を8日に参議院へ通知している。
5 決議の効果
次に、いわゆるレガシーシステム等の見直しにつきましては、電子政府構築計画に基づき、各府省において、各システムの効率化、合理化を図るため、最適化計画の策定及びその実施に向けた取組を進めているところであります。その中で、契約内容の見直し、オープンシステム化、随意契約から競争契約への移行等に向けた改善を鋭意進めており、その一部については既に幾つかのシステムにおいて実施したところであります。
また、レガシーシステム等の調達につきましては、各府省において、各システムに係る平成十六年度決算の内容について検証、評価を実施したところであります。その結果を基に、単価や機器構成の見直しを行う等、システム経費の効率化を図り、平成十八年度予算に反映したところであります。
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