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参議院決算委員会平成15年度決算審査措置要求決議
31 中心市街地における商業活性化対策の有効性について

 決議内容 決議の背景 決議の位置付け 決議時点での当局の姿勢 決議の効果

 決議内容
 参議院決算委員会の平成15年度決算審査措置要求決議の第31項目「中心市街地における商業活性化対策の有効性について」の内容は次のとおりであり、政府と会計検査院に対する措置要求である。
 中心市街地における商業活性化対策については、中核であるテナントミックス事業や空き店舗解消事業等の実施に当たり、中心となるべきタウンマネジメント機関(TMO)に十分な人的体制や財政的基盤が備わっていない、ひいては本来のTMO事業の趣旨が十分に浸透しておらず、TMOに期待される本来の機能が発揮されていないとの会計検査院の報告がある。
 中心市街地における市街地の整備改善等の予算額については、国土交通省関係で平成17年度予算で事業費1兆825億円、そのうち国費負担5,369億円、平成10年度以降の総額で事業費8兆9,319億円、そのうち国費負担4兆5,821億円となっている。
 同活性化対策が、中小企業の活性化等、真に中心市街地活性化に結び付いているのか、政府及び会計検査院は、その執行の有効性について、調査・検討及び会計検査を行う必要がある。

 決議の背景
 決議にある「会計検査院の報告」とは、会計検査院が15年度決算検査報告で「特定検査対象に関する検査状況」として記載した「タウンマネージメント機関(TMO)による中心市街地の商業活性化対策について」であり、次の所見は次のとおりである。
 中小企業庁が中心市街地活性化法に基づくTMOによる中心市街地の商業等の活性化に係る事業として10年から実施している対策は、商業集積全体を一定のコンセプトの下に統一的にマネージメントする機関としてTMOを新たに設立し、これにより集客力を持った魅力ある街づくりを行っていくこととしているものであり、魅力的な商業集積作りのためのタウンマネージメントの導入により、これまでの中心市街地の衰退傾向を打開するための従来にない施策としてその効果が強く期待されている。また、TMO等が行うハード事業については、空き店舗対策事業やテナントミックス事業等の各種ソフト事業と有機的に連携させることが必要であると考えられている。
 しかし、本件施策の実施からおよそ6年を経過した現在、一部では本件施策の実施等により中心市街地の衰退に歯止めがかかり好転の兆しが見えてきたものも見受けられるが、全般的にはこれまでの衰退傾向が反転するまでには至っていない状況である。
 その原因として、TMOによる街づくりの手法そのものは、諸外国における成功事例や前記事例3及び4などからも有効と認められるものの、中心市街地活性化施策の中核となるテナントミックス事業等を実施する上で十分な人的体制と財政的な基盤が備わっていないことや、TMOの理念そのものが十分浸透していないこともあり、TMOに期待される本来の機能がいまだ十分発揮されていないのが現状である。
 本件施策は、各地域が自ら作成した計画に基づき自発的に実施する事業を国が支援するものであり、事業の成否は各地域の自助努力に負うところが大きい。そして、現在の社会経済情勢を考慮すると、TMOによる中心市街地活性化には今後とも相当な困難が予測されることから、TMOには十分な体制で事業を推進していくことが求められる。
 したがって、今後は、中心市街地活性化の困難性にかんがみ、本件施策におけるTMOの趣旨を十分理解するとともに、ハード事業と各種ソフト事業の有機的連携を図りつつ、地域の特性に十分配慮した街づくりのコンセプトを確立し、更に意欲を持った有能な人材を配するなどTMOによる街づくりのポテンシャルの高い地域をモデル地区として選定し、優先的に支援していく必要があり、これにより確実に成功事例を増やしていくなど限られた予算の効果的な執行が望まれる。
 決算委員会では、4月18日の委員会で小林美恵子委員(共産)が取り上げている。その問題意識は大型店に出店抑制が必要ではないかというところにあることが次の発言から伺える。
 二〇〇〇年に大店法が廃止されて、まちづくり三法、大店立地法等まちづくり三法が施行されましたけれども、昨年の七月に日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会の四団体がまちづくりに関する要望書を出しておられます。
 これ、その文書なんですけれども、そこに、まちづくり三法制定当初に期待された効果は得られず、全国の中心市街地は活性化するどころか三法制定時よりも更に寂れていると。しかも、大型店出店にかかわる現行制度の総合的、抜本的見直しの早期検討をこの要望では求めています。
 さらに、三月十五日でございますけれども、衆議院の経済産業委員会での参考人として意見陳述をされました清家孝全国商工会連合会の会長は、まちづくり三法の運用では解決できない様々な問題に対処するために三法の見直しが必要と考えられますと述べられています。
 今、会計検査院から所見がございましたけれども、いずれにしましても中心市街地の商業活性化対策でも不十分だということがその今の御指摘だというふうに思います。ですから、いろいろお金を使ってもなかなか十分になし得ていないというのは、やっぱり大型店に対して身勝手な出店を許さないというふうな、そういうルールづくりが今ないことが問題だというふうに思うわけですね。

 決議の位置付け
 この項目は「中心市街地活性化プロジェクトの実施状況について」として会計検査院に対する検査要請にもなっている。参議院のサイトによると内容は次のとおりであり、平成18年秋を目途とされている。
(1)検査の対象
   国土交通省、経済産業省など
(2)検査の内容
   中心市街地活性化プロジェクトについての次の各事項
  (1) 平成10年度以降の省庁別事業費、国費負担額及び実施状況
  (2) プロジェクト実施機関の人的体制・財政基盤
  (3) 中小企業の活性化等プロジェクトの有効性

 決議時点での当局の姿勢
 そして、決議当日(17年6月7日)の参議院決算委員会では中川経済産業大臣が「ただいまの……中心市街地における商業活性化対策の有効性についての審査措置要求決議につきまして適切に対処いたします……」と発言している。森下会計検査院長は「会計検査院といたしましては、ただいまの……等の審査措置要求決議につきまして、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります」と発言している。
 また、会計検査院のサイトによると、会計検査院は7日に要請を受け、「中心市街地活性化プロジェクトに関する事項について」検査を実施してその検査の結果を報告する旨を8日に参議院へ通知している。


 決議の効果
 18年1月25日の委員会議事録によると、全決議36項目のうち会計検査院のとった措置を除き内閣のとった35項目に係る措置について財務大臣が配布資料のとおりと報告し、また、会計検査院に関する8項目に係る措置について配布資料のとおりと会計検査院長職務代行が報告しているが、いずれもサイトには載っていない。

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