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参議院決算委員会平成15年度決算審査措置要求決議
3 特別会計における予算積算と執行の乖離について


 決議内容 決議の背景 決議の位置付け 決議時点での当局の姿勢 決議の効果

 決議内容
 参議院決算委員会の平成15年度決算審査措置要求決議の第3項目「特別会計における予算積算と執行の乖離について」の内容は次のとおりであり、政府に対する措置要求である。
 (1)電源開発促進対策特別会計
 電源開発促進対策特別会計電源立地勘定において、電源地域産業育成支援事業補助金における「電気のふるさとじまん市」に関する車内広告、パンフレットに係る経費、電源地域振興指導事業に関する一部の委員会等の経費及び原子力なんでも相談室の出張説明旅費等の経費が予算参考書には記載されていたものの、実際には執行されていなかった。
 また、原子力の広報に関するホームページの作成に係る経費については、予算参考書における見積りと執行との間に乖離が生じていた。
 政府は、これらの点について、予算執行の経緯や実態を調査するとともに、具体的改善策を講ずべきである。
 (2)財政融資資金特別会計
 財政融資資金特別会計においても、数年にわたり財政投融資問題調査研究経費において、執行実績と異なる研究会の名目で経費が計上されていた。政府は、このような事態が生じた経緯と同特別会計の予算執行の実態を調査するとともに、具体的改善策を講ずべきである。
 (3)厚生保険特別会計、国民年金特別会計
 厚生保険特別会計、国民年金特別会計においても、「年金週間」と関連した予算計上において、数年にわたり実際には行われていないイベントの経費が計上されていた。政府は、このような事態が生じた経緯と両特別会計の予算執行の実態を調査するとともに、具体的改善策を講ずべきである。

 決議の背景
 上記のうち、電源特会における乖離については4月18日と27日の委員会で尾立源幸委員(民主)が、財政融資特会の乖離については4月27日の委員会で尾立源幸委員(民主)が政府に対して質疑を行っている。


 決議の位置付け
 この項目は第2項目「特別会計の事務事業等の見直しについて」と一緒に、内閣に対する警告決議12項目の第2項目として次のように盛り込まれた。
 特別会計の歳出規模は純計額でも二百五兆余円と一般会計を大きく上回っており、透明性の欠如、不要不急の事業の実施、多額の不用・剰余金の発生、予算と執行の乖離、政府出資法人等への支出に係る問題等が一部の特別会計において見られることは、看過できない。
 政府は、各特別会計の性格に応じ、事務事業等の見直しとともに、一般会計からの繰入れの抑制、不用・剰余が生じている事業の縮減、事業の実態に即した適切な予算計上等、歳出・歳入両面での一層の合理化を行い、透明性の確保に努めるべきである。
 また、「特別会計における予算積算と執行の乖離について」は会計検査院に対する検査要請「特別会計の状況について」の一部にもなっている。参議院のサイトによると内容は次のとおりであり、平成18年秋を目途とされている。
(1)検査の対象
   内閣府、総務省、法務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省
(2)検査の内容
   各府省が所管する各特別会計についての次の各事項
  (1) 情報公開等、透明性の状況
  (2) 繰越額・不用額、決算剰余金、積立金等残高の推移
  (3) 次の特別会計における予算の執行状況
    ・電源開発促進対策特別会計、特に予算積算との対比
    ・財政融資資金特別会計、特に予算積算との対比
    ・農業経営基盤強化措置特別会計、特に決算剰余金の処理状況
  (4) 次の特別会計における政府出資法人への出資の状況
    ・産業投資特別会計産業投資勘定から研究開発法人への出資状況と出資先の財務状況
    ・電源開発促進対策特別会計から核燃料サイクル開発機構への出資状況と機構の財務状況
  (5) 各特別会計の財政統制の状況

 決議時点での当局の姿勢
 そして、決議当日(17年6月7日)の参議院決算委員会では谷垣財務大臣が「ただいまの……特別会計による予算積算と執行の乖離についての審査措置要求決議につきまして、適切に対処いたしますとともに、……特別会計の事務事業等の見直しについての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも一層努力してまいる所存であります。」と発言している。
 会計検査院に対する検査要請については、会計検査院のサイトによると、会計検査院は7日に要請を受け、「各府省が所管する特別会計に関する事項について」検査を実施してその検査の結果を報告する旨を8日に参議院へ通知している。


 決議の効果
 予算執行実績を予算へ反映させることについては、財務省18年度予算案において、一般会計で888件、125億56百万円、特別会計で181件、536億9千万円、計1069件、662億46百万円円反映させたとしている。
 内閣に対する警告決議については、内閣が講じた措置18年1月25日の委員会で谷垣禎一財務大臣が次のように説明している。
 次に、特別会計につきましては、行政改革の重要方針において、今後五年間において合計約二十兆円程度の財政健全化への貢献を目指すこととされており、平成十八年度予算において、合計約十三・八兆円の剰余金、積立金の活用を図ったほか、事務事業等を徹底して見直すことにより、人件費、事務費の削減約百七十五億円、特殊法人等への財政支出の削減約千九百九十九億円を実現したところであります。また、一般会計からの繰入額を約一・四兆円抑制するとともに、予算執行実績を予算へ反映するなど、歳入歳出両面で合理化を図ったところであります。
 なお、透明性の確保に関しましては、行政改革の重要方針において、一覧性、総覧性を持った形で国の財務状況を説明し十分な説明責任を果たすこととされており、特別会計の会計情報の開示内容を統一的に明示するため、法制上の措置も含め所要の対応を進めるなど、積極的な取組を行うこととしております。

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