〔このサイトは xrea 様御提供の広告(↑)付き無料レンタルサーバー上に構築されています〕
Sorry, Japanese Only
参議院決算委員会平成15年度決算審査措置要求決議
28 核燃料サイクル費用の試算結果の開示問題について
決議内容 決議の背景 決議の位置付け 決議時点での当局の姿勢 決議の効果
1 決議内容
参議院決算委員会の平成15年度決算審査措置要求決議の第28項目「核燃料サイクル費用の試算結果の開示問題について」の内容は次のとおりであり、政府に対する措置要求である。
原子力発電所における使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、高速増殖炉や軽水炉の燃料として再利用する核燃料サイクル政策に関し、旧通商産業省が、使用済み核燃料をそのまま地中に埋める直接処分を行った場合と再処理を行った場合との費用比較について、平成6年に試算を行っていたことが、平成 16年7月に明らかになった。
この試算資料の中では、再処理の費用が直接処分の約2倍となることが示されていた。平成6年6月の総合エネルギー調査会原子力部会中間報告書では、「直接処分方式をとることは、資源的、技術的、社会的に見て問題が多く、最終処分費の見積りが極めて不透明であることから、両路線の比較を行うこと自体が困難である」との結論に至ったものである。その後、平成16年3月の本院予算委員会質疑において、資源エネルギー庁は、日本においては再処理をしない場合のコストを試算したものはない旨答弁し、結果として事実と異なる答弁を行った。また、この試算資料の存在が明らかになった後、旧科学技術庁においても、費用比較の非公開資料があったことが明らかになった。
政府は、国民に対する情報提供の在り方を厳しく見直し、種々の意見のある原子力エネルギーや核燃料サイクルのように国民的な関心の極めて高い分野において、幅広い視点から国民に開かれた形で議論されるよう、政策判断の根本となる重要な資料や情報の十分な開示に努めるべきである。
2 決議の背景
3 決議の位置付け
この項目は、内閣に対する警告決議12項目の第8項目として次のように盛り込まれた。
核燃料サイクル政策に関し、旧通商産業省が平成六年に使用済み核燃料を直接処分した場合と再処理した場合との費用比較について試算を行っていたが、国会においてその資料の存在を否定し、事実と異なる答弁が行われたことは、遺憾である。
政府は、このような事実と異なる国会答弁を行ったことを強く反省するとともに、原子力エネルギーの分野においては、政策判断の根本となる重要な資料や情報の十分な開示に努めるべきである。
4 決議時点での当局の姿勢
そして、決議当日(17年6月7日)の参議院決算委員会では中川経済産業大臣が「ただいまの核燃料サイクル費用の試算結果の開示問題について、……についての審査措置要求決議につきまして適切に対処いたしますとともに、核燃料サイクル費用の試算結果の開示問題……についての警告決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも一層努力してまいる所存でございます。」と発言している。
5 決議の効果
18年1月25日の委員会で平成15年度決算に関する参議院の議決について政府が講じた措置について財務大臣が次のように説明している。
次に、核燃料サイクル費用の試算結果の開示問題につきましては、平成十六年三月の質疑当時、答弁者は使用済燃料を直接処分した場合のコスト試算の存在を認識しておらず、結果として事実と異なる答弁をしたものでありますが、その後徹底的な調査を行った結果、御指摘の平成六年度の試算資料を始め関連する資料の存在を確認したため、これらを直ちにすべて公表したところであります。
その後、原子力委員会では、平成十七年十月に策定した原子力政策大綱の検討に当たり、核燃料サイクル政策について再処理する場合や直接処分する場合など四つの基本シナリオを定め、エネルギー安定供給、経済性等の十の視点からできるだけ定量的な評価を行い、その中で経済産業省が公表した資料等も参考にしつつ、コスト比較についても実施したところであります。なお、その検討におきましては、すべて公開の下、徹底的に議論を行うとともに、広く国民からの意見を募る機会も設けたところであります。
今後とも、原子力という重要な政策課題につきましては、政策判断の根本となる重要な資料や情報を積極的に開示するよう努めるとともに、国民に開かれた形で議論を進めてまいる所存であります。
リンク・フリー