国民医療費は、近年、横ばい傾向にあるものの、その額は30兆円を超え、多額に上っている。医療費の伸びの最大の要因は老人医療費の増加であるが、一人当たりの老人医療費については最大と最小の都道府県で約1.5倍の格差が存在している。
市町村が保険者となっている介護保険においても、毎年給付費が増大しており、また、都道府県別に見ると、第1号被保険者1人当たりの支給額に約2倍の地域格差が生じている。このほかにも、人的要因を含めたサービスの供給体制等についても、地域格差が生じているといった問題も指摘されている。
以上のことから、政府及び会計検査院は、地域ごとの事情を十分配慮しつつ、社会保障における地域間の財政状況・給付状況について調査・検討及び会計検査を行う必要がある。
(1)検査の対象
厚生労働省
(2)検査の内容
社会保障給付費(医療・福祉)についての次の各事項
(1) 医療保険及び介護保険の財政状況
(2) 保険給付の状況
(3) 医療費の地域格差の状況
(4) 認定率、サービス内容等を含めた介護保険の地域格差の状況
(5) 生活保護の地域格差の状況